会計士メーカー経理サラリーマンが挑む家計管理と投資 

お金の事(貯金、節約、収入アップ方法、投資)、最近の出来事について記事にします。

ノーベル賞賞金1.2億円に増額?!ノーベル財団の資産運用・収支・資産内訳について調べてみた!

 ノーベル賞賞金が900万クローネ≒1.2億円に増額されると報道されていました。

5分野合わせて賞金総額6億円!!

 

いったいどこからこんな大金が出てくるのでしょうか?

2016年度のノーベル財団のアニュアルレポートを元に調べてみました。

 

 ノーベル賞とは?

毎年10月初旬になるとノーベル賞受賞者が発表されます。

物理学賞、化学賞、生理・医学賞、文学賞、平和賞、経済学賞の6分野があります。

経済学賞だけノーベルの遺言になく、正式にはノーベル賞には含まれず、アルフレッド・ノーベル記念スウェーデン国立銀行経済学賞)と呼ばれるそうです。

 

ダイナマイトを発明し巨万の富を得たノーベルが、その富を人類の科学技術・文化・平和に貢献した人や団体に分配したいと遺言を残しました。その遺言を受け彼の死後1901年から始まった賞です。

 

IPS細胞の山中伸弥教授、オートファジーの大隅良典教授など、日本人の受賞が例年続いています。日本の科学レベルが高いと世界に認められたような気がして、自分は何もしていないけどなんか誇らしい気がします。

 

 

ノーベル財団

  1900年ノーベルの遺言により設立された財団です。彼の遺産の90%が基金になりおよそ200億円が拠出されました。財団はこの基金を運用してノーベル賞の賞金や式典費用などを拠出しています。寄付については受賞者選定の公平性を保つために、政府や公的機関からの寄付は一切受け付けず、民間からの寄付も厳選した上で受け取っているようです。

 

ちなみにノーベル経済学賞のみノーベル財団ではなく、スウェーデン国立銀行が賞金を拠出しています。

 

ノーベル財団の収支計算書

 

 

f:id:tarokacho:20170927173041p:plain

※各年度期中平均レートで換算

 

収入面を見ると

 実現した価値の変化とは、株とか債券の売却損益の事です。配当や利子というよりも、売却損益(キャピタルゲイン)の成績の良し悪しで、財団の利益は決まってしまうようですね。

 

コスト面を見ると

 授賞式や晩餐会・舞踏会で2億円近く使うんですね・・・あれだけ人呼んで豪華なパーティやるんだからこれぐらいかかるのでしょう。正直もっとかかるのかと思いましたけど。

 選考機関の運営費にも4億円くらいかかるのですね。

 事務管理費用のほとんどは人件費です。

 ノーベル財団を維持するだけでも毎年7~8億円かかるようです。

 

処分前利益をみると

 総じて安定していないですね・・・かなりアクティブな運用を行っていて運用益が不安定な印象を受けます。

 

利益処分のところで、ノーベル賞賞金の科目が出てきます。

賞金は費用ではなく、利益処分扱いなのですね。

 

インフレ考慮後の資本変動が毎年プラスですから、ここ3年間は成長しているようです。

 

ノーベル財団のバランスシート

 資産側

f:id:tarokacho:20170927173110p:plain

 ※各期末日レートで換算

 

 圧倒的に投資目的の金融資産が占めています。

まあ財団だから当たり前か

株式会社みたいに利益を求めるために事業活動行う訳じゃないし

360億円規模の投資目的の金融資産を運用して利益獲得しています。

まあ仮に投資活動で利益を得られないとしても、30年くらいは財団を維持できそうですね

 

負債・資本側

f:id:tarokacho:20170927173348p:plain

※各期末日レートで換算

外部からの借入は一切無いですね。98%近くが資本です。ノーベル賞選考の公平性確保のために、財団の独立性を保とうとしている事が伝わる資本構成です。

 

ノーベル財団の運用ポートフォリオ

 

直近2016年末時点のポートフォリオ比率では、

株式50%

債券17%

不動産ファンド7%

ヘッジファンド26%

その他3%でした。

推移を見てみると

f:id:tarokacho:20170927173619p:plain

  ヘッジファンドの比率が徐々に増えてきています。比較的安全といわれる債券の比率が予想していたよりも低いです。積極的にリスクを取ってリターンを狙っている事が伺えます

 

長期投資資産の内訳を金額でみるとこんな感じです。

 

f:id:tarokacho:20170927173643p:plain

  ノーベルは遺言で「安全な有価証券に投資し継続される基金を設立し、利子を分配する」と言い残していますが、全然安全資産に投資していない気がする・・・

やたらリスクをとっているように見えます。

 

ここ最近のリターン率は6~7%だそうです。

リスクとってる割には低くくね?って感じです。

 

全体的な印象ですが

 正直以外と規模が小さい財団なんだなという印象です。1,000億くらいはあるのかと思っていました。あと意外とリスクテイカーです。

 ノーベル賞の性質上寄付は集めにくいですし、運用が失敗してノーベル賞が続けられなくなったみたいな事が起こらない事を祈るばかりです。

ノーベル賞をもらえる事自体が栄誉だとしても、やっぱり賞金はインパクトが無いと箔がつきませんからね。

 

-----------------------------------------------------------------------------------------

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

(Thank you very much for reading a blog to the end..)

 

毎日更新していますので、

 

よろしければコメント、ブックマーク、ツイート、読者登録をお願いします。

 

(Since it is updated on a daily basis,If it is good comment, bookmark, tweet, please subscribe.)

 

 

押していただけるととても励みになります!↓↓↓

にほんブログ村 サラリーマン日記ブログ 30代サラリーマンへ
にほんブログ村