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アサヒがインドネシアから撤退!? インドフード・CBP・スクセス・マクモル会社(ICBP)って?

 日本の飲料大手のアサヒグループホールディングスが、インドネシアで清涼飲料水を製造販売する合弁会社2社を合弁相手のインドネシア企業インドフード・CBP・スクセス・マクモル(以下ICBP)に売却する方針だと発表したようです。

 

製造会社アサヒ・インドフード・ビバレッジ・マクモル(出資比率51%資本金約100億円)

販売会社インドフード・アサヒ・スクセス・ビバレッジ(出資比率49%資本金約100億円)

この両社の所有全株をICBPに売却する予定らしいです。

 

わかりやすい出資比率です

ICBPからしたら、販路は使わせてやるから、製造ノウハウをよこせ!って感じだったんでしょうか?

 

2012年に作ったばっかりの会社なのになんで?と思いましたが、どうやら欧州での大型買収に備えて、経営資源の集中を進めるためだそうです。

 

 新興国への株式投資を考えている僕としては、インドネシアも投資先国として魅力的だと感じています。人口は2億人を超えていますし、平均年齢も20代ととても若い。消費も活発化し内需の拡大が見込めます。

ちょうどいい機会なので、アサヒと合弁を組んでいたICBPについて調べてみました。情報は2016年度のアニュアルレポートを参考にしています。

 アニュアルレポートは食品会社らしくポップで、おもちゃのカタログかと思うようなデザインで、読みやすかったです。

 

 

事業内容

 インドネシア最大の即席麺メーカーです。1982年より創業しています。

インドネシアの財閥サリムグループが支配するインドフード・スクセス・マクムルの子会社で即席麺、乳製品、スナック食品、調味料、栄養食品、清涼飲料の5分野、およそ40ブランド事業展開しています。

 

商品ラインナップはこんな感じです。

 

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特に「インドミー」というインスタント麺ブランドが主力みたいです。いろんなフレーバーがあって特に若者に人気みたいです。

こんなの↓↓↓

 

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 インドネシア内で50拠点を展開し、全世界60カ国に拠点、全従業員数28,914人の会社です。

 

イスラム教徒向けの食品ハラル食品を製造しており、中東やアフリカを中心としたイスラム市場にビジネスチャンスがあるようです。

 

 インドネシアでの日清食品ってイメージでしょうか?

 

規模感

 

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総資産2,500億円程の企業です。なんか思ったよりちっちゃい。

ルピアベースで見たら毎年増加しています。

 

 収益性 

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※期中平均レートで換算

2016年は売上が減っているように見えますが、円高ルピア安でレートが悪化したためです。

ルピアベースでは売上は増加しています。

 

売上高純利益率が10%前後で推移しています。日本の味の素や日清食品でも4~5%ですから、日本に比べると利益率は高いですね。

 

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売上成長率はプラスですが、鈍化してきています。ただ純利益率の成長率は高いですね。

原材料費の低減による営業利益率の向上が一因のようです。

 

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EPS(1株当たり利益)は2016年度に下がっていますが、これは1株⇒2株に株式分割たことよる影響です。

それを考慮に入れると過去5年間増加しています。EPSは持続的に成長しているのがわかります。

 

セグメント別

 事業別セグメント

 

 

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圧倒的に即席麺事業がメインです。売上、利益共に6割強を即席麺が稼いでいます。

 清涼飲料事業が足を引っ張っていますね。アサヒとの合弁で2013年から始まったまだ生まれて間もないビジネスなので、成長途中といった感じでしょうか?ちなみにペプシと独占ボトラー契約を結んでいるようです。

 

地域別セグメント

 

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完全に内需依存の会社ですね。ほぼ92%がインドネシア国内向けの売上です。それだけの需要がインドネシアにあるという事です。

 

 サウジアラビアイラクの中東国、ナイジェリアなどのアフリカ諸国も売り先に入っているのが面白いですね。どこもイスラム教徒が多い国です。世界人口の1/4はイスラム教徒です。戒律の厳しいイスラム教徒向けへのハラル食品を製造できる事が一つ強みなのでしょう。

 

安全性

 

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 安定しています。ほどよい感じの株主資本比率です。バックに協力な財閥サリムグループの存在を考えると安定性抜群です。

 

効率性

 

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ROEを20%近辺でキープできています。なかなかです。

日本大企業で20%代をキープできている会社ってあんまりないです。

 

キャッシュフロー

 

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過去4年間一度も営業活動CFがマイナスになっていません。

 

 株主構成

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インドフード80.53%

その他外部株主19.47%

 

親会社インドフードが80%の株式を保有しています。

逆になんで100%子会社にしなかったのだろうと疑問が湧きます。

 

配当性向

 

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稼いだ利益の半分くらいは毎年配当にまわしています。

 

経営課題

  GDPの伸びと共に食品業界も成長している。おいしい市場である分、競合他社の参入も増えている。その中で生き残らなければならない事を強調していました。

「競合他社」=「Competitors」という単語が多く使われているなと感じました。

 

・お客様目線の商品開発やイノベーションを起こす。

・販売政策の改善、マーケティングチャネルの多様化、販路拡大

イノベーション文化を保つための人材育成制度の拡充等

が課題だそうです。

 

雑感

 

インドネシアでは「米」が主食です。

日本でもかつてそうでした。

経済成長により食文化も多様化し、今では米以外のパンや即席面もポピュラーになりました。

 インドネシアも今後人口ボーナスを迎え、同じように食文化も多様化すると想定されます。更に新興国全般的に働く女性が増え、簡単な食事の需要が高まっている事を考えれば、即席面の需要も増えるかと思います。

 

 そんななかICBPがインドネシアで果たす役割も大きくなっていくのではと予想している今日この頃です。

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最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

(Thank you very much for reading a blog to the end..)

 

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