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資産額4.4兆円!!ロレアル創業者の娘94歳が死去 ロレアルってどんな会社?②(投資・会社分析4)

前回はあの女性大富豪リリアン・ベタンクールさんのお父さんが創始者のロレアルの会社について経営理念やCEO、財務数値等について書きました。

 

今回もそれに引き続きロレアルについて書いていこうかと思います。

 

キャッシュフロー計算書(期中平均レート換算)

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営業活動によるキャッシュフロー

 毎年5.5千億円のキャッシュインを安定的に稼いでいます。そのほとんどが純利益+減価償却費であり、運転資本の増減の影響はあまりないです。徹底的な与信管理の元、貸倒債権の貸し倒れを起こさずに安定的に本業がキャッシュインフローを生み出しています。

 まさに強力なブランド力を背景に事業活動を行っているからこそ成せる技って感じですね。

 

投資活動によるキャッシュフロー

 有形・無形固定資産の購入と連結範囲の変更による影響がそのほとんどを占めています。

 連結範囲の変更による影響は毎年大きな金額を計上していますが、これはMAによって会社を買ってお金が出てていったり、子会社を売却して現金を得たりするときに出てくる科目です。

 

 ロレアルはほぼ毎年1件~2件、多い時には4件のブランドを買収しています。

直近2016年で見ても、アメリカのスキンケア、メイクアップブランドの IT Cosmeticos、香水・コロンのブランドのAtelier Cologne、RaylonやThermes Saint-Gervaisの4ブランドを買収しています。

 

 一方上場企業でよくある有価証券の売買等はあまり行っていないです。

 化粧品事業本業に関連あるブランドや有形・無形固定資産に積極的に投資し、株や債券の売買など本業に関係ない金融取引は行わない方針であることがわかります。本業に集中!ですね。

 

財務活動によるキャッシュフロー

 毎期安定的に2千億の配当金を出しています。儲けの半分程度を株主に還元していることになります。株主還元に熱心な会社であることがわかります。2014年の大量の自己株買いは、ネスレから8%自己株取得した事によるものです。

 

 借入も長期ではなく短期借入がメインであり、資金繰りに相当な自信を持っていることがわかります。外部借入に頼らずに自己資金と内部留保で投資資金を賄っています。これも安定的な本業でのキャッシュインがあるからです。

 

ロレアルのキャッシュフロー計算書を総括すると

「強固なブランド力を背景に稼いだ本業でのキャッシュを、MAや有形・無形固定資産に投資してブランドを維持・洗練させていくと共に、借入は最小限に抑えた上で、配当や自己株取得で株主還元を手厚く行う会社」であることがわかります。いい会社だ!

 

 

1株当たり配当金・配当性向

 1株当たり配当金は以下の通り過去10数年間一貫して増加傾向にあります。

 

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 配当性向もここ最近は50%を超えてきています。配当性向50%越えは他の会社をみまわしてもあんまり見かけませんね。すごい!

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株主構成

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 創業家であるベタンクール家が筆頭株主です。先日亡くなったリリアン・ベタンクールさんもその一人です。201612月末時点で時価総額330憶ユーロ≒4兆円です。それに加え毎年650億円程の配当収入を得ている計算になります。

 

 世界最大の食品会社ネスレ23保有しているのが気になります。

 

 1970年代にフランス政府による国有化の懸念が高まった時に、ロレアル創業家ネスレに株式の保有を依頼し、国有化を防いだ経緯があります。ネスレは配当収入が大きいので長年保有しているようですが、2014年に食品とは関連性の低い化粧品会社の持ち株比率を下げて、売却で得たお金を健康食品事業に投入するためにロレアルにその一部を売却しています。

 

 市場環境

 世界の化粧品市場は2.000憶ユーロ≒24兆円の市場に拡大しています。(ちなみに日本は2兆円)毎年4%程の成長率を保っています。

 

 要因としては中国や東南アジアの成長と最近フェイスブックやインスタグラムなどのソーシャルメディアで自撮りをする若者が増えてきており、若い人の化粧品の購入意欲が高まっていることがあげられます。

 

経営者が意識している事

 アニュアルレポートではJean-paul-agon CEOが”E-commerce”,”degital”という言葉をよく使っていました。インターネットを介した売上は30%以上の成長率を見せ、広告宣伝費に占めるインターネット広告の割合は30%を占めます。「デジタル」「ソーシャルメディア」がロレアルの成長の大きなエンジンになっており、顧客とのより近く密な対話を通して、顧客ニーズを探り事業化していくことが、ロレアルの持続的な発展には不可欠だという認識を持っているようです。

 

僕は化粧品というと百貨店での対面販売がイメージにあり、化粧品はネット販売にはなじまないと思っていました。しかし化粧品業界も他の業界と同じでネットによる販路拡大という時代の流れに取り残されないように必死なんですね。

 

世界のトップ化粧品会社のCEOが言うんだから間違いないでしょう。

 

 世界一の大富豪女性リリアン・ベタンクールさんの莫大な資産から興味がわき、ロレアルについて調べてみました。アニュアルレポートだけでもいろいろわかって、以外と面白いですね。

 

 好評でしたら、またYahooニュースに取り上げられた会社について調べて報告するスタイルの記事も増やしていこうかと思います。

 

何かリクエスト会社があれば教えてください。

でわでわ!

 

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最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

Thank you very much for reading a blog to the end..

 

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